「Noise Gateの製作」
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No.27「Noise Gateの製作」


最近テレキャスターを使うようになりましてですね、これがかなり気に入っちゃったんですけど
ジョン・スコフィールドっぽい感じのジャズをやるので歪ませることも結構ありますし
この Fender Standard Telecaster はピックアップやブリッジなどがモダン・スペックだからか
意外にもテレキャスでメタリカやジョー・サトリアーニのような音も出せてしまうんですねこれが。
ところがですね、何せシングル・コイルなので歪ませるとハムノイズが酷いわけですよ。




ハムバッカーに交換するというのも一つの方法ですが
せっかくのテレキャスなので、しばらくはシングル・コイルを味わいたいと思うんですね。


ということで今回はノイズ・ゲートを製作しようと思います。



ノイズ・ゲートの回路には「FET方式」や「VCA方式」「OTA方式」などがありますが
今回は昔ながらの「FET方式」を採用してみます。
読んでいた本のページがたまたま34ページだったので「Noise Gate P34」と名付けました。
まぁネーミングの決め方なんてこんなもんでしょう(笑




あえてプリント基板ではなく、ラグ板を使ってレトロな感じのエフェクターにしようと思います。

木の温もりとか家具調とかが好きなのでそれっぽいやつにしてみようかと。

回路も見た目もアンティークっていうことで、オブジェっぽいものを目指します。


まず板を用意します。 これはパイン材ですね。何かを作った時の端材です。
もうちょっと長かったのですが一応レイアウトを決めてから計算してこの長さに切りました。




ボール盤のドリルチャックにこのようなトリマー用のサジ面ビットを取り付けます。




こんな感じで装飾するとただの板切れより少しは家具っぽくなるんじゃないかと思います。




サンドペーパーで仕上げました。

うーむ・・・ちょっと雑だな(笑




ニスを塗りたいので端材で試し塗りをして色を確認します。 これでいこう。




テーブルなどにも使われる油性ウレタンニス。 カーテンごしの日差しで乾燥させます。




家具っぽくなりました。 硬い皮膜で木の質感を残しながらも光沢があります。

テレキャスのボディもこんな感じにしたい。




失敗したくないので端材を使ってラグ板を取り付けるネジの下穴の径と深さを確認します。




下穴を開けます。




同じ木でも場所によって硬くてネジが奥まで締まらない所がありました。
これだから木は面白い。




下穴を深くしてラグ板の取り付け完了。




抵抗器やコンデンサを装着する前の下処理をします。

部品を整然と並べなければならないのでプリント基板よりもレイアウトの自由度は低くなりますが
基本的にはプリントパターンの設計と同じですね。
部品と部品を銅箔で繋ぐかすずメッキ線で繋ぐかという違いだけです。




見た目を気にせず部品を斜めに装着したり1つの穴に2個、3個の部品をまとめたりすれば
もっと少ないラグ板でも出来ると思いますが、余裕を持ってゴチャゴチャし過ぎないようにしました。



FETの2SK30Aは生産中止品で市場から消えつつあるので、代替品としてUTCのK303Lを使います。
端子配列が異なりますが足を曲げて向きを変えることで同じように使えます。




こんな感じですね。




あと2SC1815も最近はUTCの2SC1815Lを使ってます。 端子配列が同じなのでそのまま使えます。

ちなみに端子配列ですが・・・
私は「E C B」は「えくぼ」って覚えていて、「S G D」は「すぐ怒鳴る」って覚えています。
2SK30Aは「S G D」なので 「2SK30Aはすぐ怒鳴る」 って覚えているせいか・・・

私は2SK30Aがちょっと怖いです・・・


こんな感じで部品を装着して完成。
SENSEつまみが真ん中の時にオペアンプの1番端子の電圧が約1.4Vになるように半固定抵抗器を調整します。
(半固定抵抗器を回していって8V付近から1.4V付近に急激に下がるところ。)




家具調ノイズゲート。




プリント基板で小型化するより風情があってよろしいかと。




木の雰囲気が気に入ってしまった。




大自然に囲まれたログハウスの工房で製作しています (嘘です。)




使い勝手はまぁまぁかな。 気になるような音質の変化は無いです。

何も弾いていない時に出ている「ビー」とか「サー」というノイズを消すものなので
演奏していない時にギターのボリュームを 0 にしておくのと同じ効果になります。
自分でボリュームを操作しなくても自動的に 0 にしてくれている感覚ですね。

その 「ノイズだと判断して消す境界線(ノイズゲートの効きの強さ)」 をSENSEで調節出来るのですが
ノイズを消す効果を強くすると、音を伸ばした時に減衰していった音の最後の方が途切れます。
逆に最後まで全く途切れないようにすると、今度はノイズが止まるか止まらないかの微妙なところにくるので
確実にノイズを止めて尚且つ最後まで全く途切れないように、という両立は難しいです。

よほど音が減衰しきってしまうまで伸ばすような曲やソロを弾かない限りは関係ないと言えば関係ないですが
減衰した音は全く消えずにノイズだけが消えるというポイントは厳密にはおそらく無いのと
何もしていない時に無音でもちょっと弦を「チュル」って擦っただけで効果がOFFになって一瞬ノイズが出て
直ぐさま自動でそのノイズを消してくれるという感じなので、
コンプレッサーを使った時の自動制御されているような違和感があります。

コンプレッサーを使っても何も違和感を感じない人であればノイズゲートでも違和感を感じないかな。

これらの違和感はFET方式の特徴で、MXRのノイズゲート「M135 Smart Gate」でも同じらしいのですが
CA3080を使った「OTA方式」でも、M5207を使ったBOSSのNS-2のような「VCA方式」でもこの違和感は残るようです。

まぁでも使っているうちにだんだん慣れてきますね。
シングルコイルをヘヴィに歪ませた時に出る大きなノイズもピタリと止まるので、やっぱりあると便利です。

2018.2.28

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