ギターダー
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No.12「ダダリオとアーニーボールの比較実験」


今回はダダリオ(D'Addario)とアーニーボール(ERNIE BALL)の劣化の度合いを比較実験してみます。

ネットでは「アーニーボールは最初だけとてもブライトで良いけどすぐに劣化する」という意見もあれば
実際に実験をして「ダダリオの方が早く錆びた」という結果が出た例もあります。

本当のところ、どうなんでしょう?

私は最近ダダリオからアーニーボールに乗り換えてみようかと考えていることもあり、
これは是非、自分でも実験をやってみようと思いました。



まずはダダリオとアーニーボールの弦を用意します。



ダダリオはいつも3setパックのやつを買います。1setごとに薄い袋に入っています。
この袋は「特殊ポ リマーパックで密閉されており、長期間劣化することはありません。」
とのことですが、袋が薄くて弦が刺さって穴が開いてることも多いです。
穴が開いてないと思う袋でも手で圧迫させると空気が漏れますので、密閉されていないのが現実です。

アーニーボールは普段は使わないので今回の為に1セットだけ仕入れました。
厚いアルミパックで密封された中に、弦が1本ずつ紙袋で小分けされています。
こちらは手で圧迫させても空気が漏れません。完全に密閉状態です。

私は、低音弦(巻き弦)を指で滑らせたときの感触でいうとダダリオの方が好みなのですが
それでもこの厚いアルミパックによる完全密封は魅力的です。
感触は使っているうちに慣れてくるものだと思うので。



経験上、巻き弦はプレーン弦の数倍長持ちというか、なかなか錆びないので
もちろん全ての弦を張り替えますが、プレーン弦(1、2、3弦)を実験の対象にします。
今回は3弦だけダダリオを張り、あとはアーニーボールを張って比較します。



ギターはマツモク工業製のエピフォン・レスポール(激レア)


【実験開始、新品を張った状態(8月11日)】



まずは実験開始の状態では差異はなく、どれも綺麗です。
写真だと分かり難いですが、なんとなくダダリオはやや黄金色っぽい系統の銀に見えて
アーニーボールはやや白っぽい系統の銀に見えます。

弾いたあとは必ずクロスで拭き上げるという通常の使い方で変化を見ていきます。
弦は乾拭きだけで、スムーズ・フィンガーのようなスプレー類は使いません。

そして、手元には 「ダダリオのセットで3弦だけアーニーボール」 のセットが残るわけですが
こちらはギターに張らずに長期保管した場合の劣化の度合いを比較します。
一番右がアーニーボールです。



どれも輝いてます。素手で触れないように扱います。
本当は製造年月日が同じだといいのですが、残念ながら分かりません。



このようにZipper袋に入れて長期保管することにしました。



これは数ヶ月〜数年単位で確認していく予定なので
結果についてはここに追記で報告しようと思いますが、忘れたらごめんなさい。


ちなみに弦を張った方の切れ端も活用。Zipper袋に入れずに空気に触れる状態で放置してみます。





【実験開始から4日目(8月15日)】



とりあえず4日目。まだ何も変わりません。

数時間もぶっ続けでスライドやチョーキングを多用したソロを弾いたりなんかすると
わりと早く輝きが失せたりすることもありますが、
そこまでぶっ続けで弾いてないのでまだまだ新品同様の輝きです。




【実験開始から26日目(9月6日)】            フレットを交換したい・・・



撮影時の光の加減や角度のせいで輝きが失せて見える箇所がありますが、実際には全体が輝いてます。
忙しくなってしまい、あまり弾いてないということもあってまだまだ綺麗です。



【実験開始から1ヶ月目(9月11日)】



丁度1ヶ月が経ったところですが、なかなか錆びません。
若干アーニーボールに黒い点程度の錆びのようなものが見えるか見えないか、んー、という感じで
さすがに弾いた感じがもう新品同様ではないのですが1、2、3弦とも全体的に輝いていて綺麗です。

私は今の状態、新品時のスルスルと滑り過ぎる時期が終わった頃の弾き心地が好きです。



【実験開始から50日目(9月30日)】



実験開始から50日経ちました。
一見すると全体的にまだ綺麗に見えますが、確実にチラホラとアーニーボールに錆びが出てきました。

肉眼なら錆びてるのがすぐに分かるのですが
写真に撮ると分かりにくいので、指板と弦の間に白い紙をはさんで撮影してみました。



黄色で囲った部分はライトを当てているので光が反射して輝くはずのところですが
錆びている所は反射しません。



ところどころで差が出てきてます。






で・・・ちょっとややこしいのですが・・・

アーニーボールの弦には錆びとは別に、錆びのように見えて錆びではないザラザラした部分があります。




これは錆びが発生するよりも全然前、実験開始後すぐにはもうありました。
劣化ではなく、最初からこのような状態だったものと思われます。


上の写真では汚くザラザラしてるように見えますが、これは細かい傷のような凹みがあることによって
光が乱反射しているせいで、光が当たる角度によってはザラザラが目立たなくなります。

上の写真と同じ場所を光の当て方を変えて撮影したのがこれです。




錆びではないので色が黒いわけでもないし、光の当たり具合によってはザラザラは見えなくなります。


上の写真を拡大したものです。汚れではなく、細かい傷のような凹みが多数あるのです。
ダダリオとの表面の違いがよく分かります。




非常に小さくて細かいので触ってもザラザラはしてないし、聴感上は特に音が悪くなるわけでもないようです。
私は今回の実験で、拡大鏡を使ってジロジロと観察したのでこれを発見しましたが
普通に見ただけだと、ちょっと錆び始めたような感じにしか見えないと思います。

こういうのを気にしないタイプの人にとってはどうでもいいことなのかもしれませんが、
私は変なところが神経質なので、音や弾き心地以前に、製品のクオリティとして気になってしまいます。



今回の実験で分かったことは、



・ダダリオとアーニーボールではアーニーボールの方が早く錆び始めた。


・アーニーボールのプレーン弦には
 部分的に、表面に多数の傷のような凹みがあるものがあった。


ということになります。



個人的な感想としては・・・

残念ながら私は今回の実験で
「アーニーボールの弦は製品としてのクオリティが低い」 という印象が強く残ってしまいました。


ただ、今回のこの実験の結果だけで何か断定的な結論を出すのはまだ早いかな、という感じもします。

たまたま今回仕入れたアーニーボールがハズレの不良品だっただけかもしれないし、
もう一度同じ実験をしたら違う結果が出るかもしれません。



しかしこんな結果になってもまだ完全密封の厚いアルミパックは魅力的なんですけどね(苦笑

2014.10.1

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