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No.15「KENWOOD / CS-4125A 校正」
今まで使っていたKENWOODのオシロスコープ「CS-4025」がですねぇ、
測定することは出来るのですがいつの間にか「CAL」から出る信号の周波数が狂っていて このままでは完璧なプローブの調整が出来ないので・・・ 以前ほぼ同じ型のものを入手して保管しておいたやつに入れ替えます。 KENWOODの「CS-4125A」です。 古いのとは色が違いますよね、色が。 しかし、500Hzを入力してDIV=0.5msに設定たところ 0.5ms×4=2ms(0.002s) 1÷0.002s=500Hz ですので、波形の山の頂上が4マスごとに並ばなければいけないのですが ずれてしまっていて正しく測定されません。 普通はこのような精度が求められる測定器というのは「校正」という調整作業が必要で メーカーなどでは車検のように定期的に専門業者に依頼してきちんと管理するものなのですが 私は個人で普通に使うのに支障のない程度に自分で校正します。 自分のバイクを自分で整備して車検を通すのと同じ感覚ですね。 一応ネットにあったサービスマニュアルによると作業が全部で32項目あるのですが さらっと読むとだいたい合ってるようなので、調整が必要な個所をやっていきます。 主に周波数と電圧ですね。 まず、オシロスコープ本体を調整する前に オシロスコープとプローブの組み合わせが変わった時に必要なプローブの調整をします。 プローブを本体の「CAL」に繋いで、プローブのトリマで調整します。 トリマを回すとこのように上に曲がったり 下に曲がったりしますので 一直線になるように調整します。 じゃぁ基板を見てみましょう。 古い方と比べてみたりなんかしちゃって・・・だいたい同じですね。 だんだん綺麗な街に見えてきます。 半固定抵抗器がいっぱいあります。これらで調整します。私は全部は使いませんけど。 住宅街ですね。 電解コンデンサに「SAM YOUNG」の文字。韓国製です。 電源部の電解コンもSAM YOUNG 拡大・・・ ロゴの無いマイラーコンデンサ・・・ 「K」を四角で囲ったようなロゴマークのセラミックコンデンサ。どこのだろ? こっ、このデカいメタライズドフィルムコンデンサには松下電器の「M」がっ。 CRTに貼ってあるラベル。「MEDIA TECH」韓国製。 こっちは古い方のCRTに貼ってあるラベル。「KENWOOD CORPORATION」日本製かな。 古い方には「MADE IN JAPAN」とありますが・・・ 新しい方には製造国が書かれていません。書きたくないのでしょうか。 「KENWOOD CORPORATION」から「KENWOOD TMI CORPORATION」になってますね。 ということで電圧から始めます。 要は1kHzで100mVの矩形波を入力して DIV=20mVにして5マスになるように調整しろということです。 CH1はVR103で調整して CH2はVR57で調整するのですが 私は今これ波形を出力するのに自作の発振器を使っていて、正弦波しか出せないので ちょっとマニュアルを無視して自分のやり方で9Vで合わせます。 まずGNDを計測して上下の「POSITION」つまみで下の方の任意の線に合わせます。 そしてDIV=0.5Vで9Vを計測すると、GNDから8マス半上に線が来るはずです。 現状、オーバーしてますよね。 これをVR103で8マス半の位置に合わせます。 これだけで済めば簡単なのですが・・・ 再度GNDを計測すると・・・なんと、最初に設定したGNDの位置より上にずれています。 VR103を下げる方向に調整すると上下の幅が狭まることでGND側も連動して上に動いてしまうのです。 上側をちょうど8マス半のところに合わせたのでは下げ過ぎということです。 再び上下の「POSITION」つまみでGNDの位置を合わせてから何度も繰り返していきます。 何回かやっていると今度はVR103で調整可能な範囲に合わせられなくなります。 それはこの「BAL」という穴の中のトリムで調整出来るのですが これをいじるとですね・・・なんとまた全体的に最初からやり直しになってしまうのです。 「BAL」については「オシロスコープ入門」という本にも載ってなくて 古い方のCS-4025を入手した際にKENWOODにお願いして取り寄せた取説に載ってました。 「BAL」はDCバランス調整器で、出荷時点において十分な調整がされているとのことで 周囲温度によってズレが生じた場合に「VOLTS/DIV」を回した時に輝線が上下に移動しないように 調整用ドライバー等で調整するものだというようなことが書かれています。 難しいです。20回くらい繰り返してやっと合いました。 続いて周波数です。マニュアルでいうところの「SWEEP TIME」の調整になります。 これは0.1msと0.2msの信号を入力してそれぞれ1マスぴったりに調整しろということですが 今の自作の発振器では最小が0.5msなので(ちゃんとしたのを作らないとなぁ・・・) マニュアルより大雑把な調整になります。 VR202とVR201で調整します。 こんな感じですが微調整が難しく、なかなか納得いくようにならなくて この写真を撮った後もしばらくやり直してました。 だいたいこんな感じですけど設置したら輝線が斜めになったので 本体の「TRACE ROTA」で調整して終わりです。 これで、大雑把ではありますが自分で使う分には用が足りるようになりました。 良い子は専門業者に校正を依頼しましょう。 2017.2.14 |
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