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No.37「YAMAHA / CA-X11 修理 2台目」


YAMAHAのオーディオ・パワーアンプ、CA-X11の修理依頼を受けました。
今までにCA-X1を6台と、その後継機種であるCA-X11を1台修理してきました。




ということでCA-X11の修理はこれが2台目になりますね。






まずは梱包から。

カッターを片手にここの三角の印を じー っと見つめたところ・・・




ここだけ剥がせばガムテープをバリバリ剥がさなくても済む仕様でした。




ダンボールも痛まずに再利用できますね。

「アイデア賞」です(笑




中を見てみましょう。

あー、いいですねー。 綺麗なので修理もしやすいですね。






ということで今回の不具合の症状は・・・

・左チャンネルからのガサガサ音。
・パワーオンしてしばらくは調子良く鳴ってますが、そのうちに症状が出ます。。
・症状が出るまでの時間はまちまちです。
・音楽は聞こえていますが、それに被るように不規則に大きなガサガサした音がします。
・スピーカーを換えても変化ありません。Aスピーカー、Bスピーカーいずれも症状に変わりなし。

とのことです。



うーむ。

音は鳴るということでトランスなどの基本的な部分は大丈夫そうですが
ノイズというのは意外と厄介で、難しい可能性を含んでいます。

とはいえ、だいたいトランジスタ、電解コンデンサ、はんだ等の劣化が原因であることが多いですし
いずれにしてももう劣化が激しいのでまずはオーバーホールは必須です。

ほぼ全てのトランジスタと電解コンデンサを交換して、それでも直らない場合は腰を据えて原因を探しましょう。



まずは軽く点検していきましょうね。

いやー、やっぱアナログ基板はいいですねー。 ノーマルで改造も無いようで安心です。




PHONO回路です。 レコードを聴くとこ。




まぁよくあることですが、
上位機種との共用基板だったりマイナーチェンジだったりで、使っていない穴がいっぱいあります。






はんだ面を見てみます。




いいんですよ、いいんですよ。
お掃除で拭いたのでしょう。ティッシュのようなものが付いてます。いいんですよ。




特にはんだをやり直した跡とかも無くていい感じですね。

発熱するパワートランジスタのところに穴があいてるのは熱を逃がしたり燃え広がらないようにする為で
逆に言うとこの付近は熱で劣化している可能性も高くなります。




こういうところですね。 はんだが割れてるもよう。
必ずしもこれが原因だとは言えませんが、複数の原因が入り乱れてることも多いです。






トランジスタを見ていきます。
見えにくい所は鏡を使って反転させてます。


2SC734




2SA844と2SA673




2SC1918




見づらいですけど2SA850です。




2SB560と2SA872




2SA673A




放熱器に取り付けられている2SD476A




2SC1124




2SC1775




おっと忘れちゃいけない最終段パワートランジスタ、2SC1403と2SA745




ステレオなので2SC1403と2SA745がもう一組あります。






トランジスタは以前に修理したCA-X11と同じですね。

ただ電解コンデンサが一つだけ、以前に修理したCA-X11と異なっていました。

前回修理したやつは100μF/6.3Vだったのが今回は10μF/50Vが付いてます。
どちらでも構わないということですが、シリアルナンバーで新しい方に合わせておきましょうか。




おっと、前回のCA-X11のシリアルナンバーは記録していなかったもよう。
CA-X1も6台中3台分しか記録していません。




今回のCA-X11のシリアルナンバーは03126ですね。
っていうか、検品がみんな岡本さんです。 うーむ。




今回は元通りの10μF/50Vにしておきましょう。



はい、とりあえず症状を確認します。

レコードのA面を聴いてB面の途中から依頼者様のおっしゃる通りの症状が出始めました。
左チャンネルからガサガサ、バチバチ鳴ります。




右からもちょっと鳴りますね。
でも左が目立って酷いです。ほとんど左側のスピーカーからガサガサ、バチバチ鳴ってます。

さらにたまに バチッ!! って大きな音が鳴って怖いのと、
そのまま放っておくと音が鳴らなくなったりもします。

音が鳴らなくなるのはどうやらリレーが遮断されているからですね。




アイドリング電流が流れ過ぎて熱暴走を起こしてプロテクションがかかった可能性が考えられます。



エミッタ電圧を測定してみます。

14.6mVあたりをウロウロしてたかと思うと・・・




急に78.9mVに上がり、リレーが遮断されました。




電源を切ってから再度試してみると、
やはりまた熱暴走し始めて急激に100mVになったので電源をOFFにしました。




大丈夫な時は何分でもガサガサ、バチバチ鳴りながら一応レコードも聴けます。

不安定ですね。



接触不良を探しても見つからないので、まぁコンデンサかトランジスタの劣化だと思いますが
1箇所とも限らないしどれも古くて要交換なのでとりあえずオーバーホールします。



その前にあれですね。

最終段パワートランジスタの可能性を排除する為に左右で入れ替えてみますね。



おぉー、まじか。 前もこうでしたね。シリコングリースが端子にまでびっしりです。

端子には付かないようにしないと接触不良になりかねないと思うんですけど。
でもじゃぁこれを端子に塗れば絶縁出来るかというと出来ないとも言えますけどね・・・

うーむ。




一応hFEをチェックします。

R側2SC1403、hFE=67




R側2SA745、hFE=130




L側2SC1403、hFE=87




L側2SA745、hFE=153






NPNとPNPで差があるものの、L側とR側では揃ってますね。

左右で入れ替えてみても左チャンネルの方がノイズが酷いのは変わりませんでした。

これらのパワートランジスタは原因ではないので元に戻します。






ではトランジスタから交換していきましょうかね。




代替品だらけなので間違えないように確認します。






何も考えずに全部パッパと交換してしまえばいいのですが、
やっぱり1つずつ交換しては動作確認してしまいますねー。

左チャンネルだけ交換していこうかと。


まずこれからいきますかね。
2SC1124は探せばあることはあるのですがプレミアが付いてて価格が10倍とかなので
代替品として2SC2383に交換します。




端子配列が異なるのでこのようにします。




特に改善されないですね。

次いきます。





2SC1918をUTCの2SC1815Lに交換します。




端子も焦げてますけど型番が見えないですよね。 2SC1918です。






ややノイズが減ったような気がしますが、まぁまだまだですね。

ここであることに気が付きます。

スピーカーを繋いでいる時だけ、熱暴走を起こします。
スピーカーを繋いでいなければ熱暴走しません。

スピーカーは左右入れ替えても変化なしなのでスピーカーは関係ないですね。





そしたらこれ・・・・DC漏れもありますね。





チェックしたらDC漏れは左チャンネルだけで、かなり変動しますが最大で500mVも出ます。
出来れば10mV以内、多くても100mVくらいまでに抑えるのが普通です。




・トランジスタの劣化によるサー、ザーというノイズ
・電解コンデンサの劣化によるブツブツ、バチバチというノイズ
・DC漏れによるバチバチというノイズ(電解コンデンサの劣化が原因か)

これらの複合型のようです。
(後述しますが他にもありました。)




まずはなんとか熱暴走を抑えたいです。


トランジスタをどんどん交換していきます。


2SA850と2SC1735、これはコンプリメンタリなのでセットで交換します。
とりあえず左チャンネルだけにします。




これは前回と同じ代替品で2SA1358と2SC3421を予定していたのですが、
これすらも入手が困難になってきてしまいました。




なので頑張って他の代替品を探しまして

TTC015BとTTA008Bというコンプリメンタリのセットにします。 東芝製です。
2SA1358と2SC3421だとオーバースペックだったので結果的にはこっちの方がいいかも。
まぁオーバースペックでも問題はないんですけど。




お、この時点でどうやら熱暴走が収まったようです。

スピーカーを繋いでいても熱暴走しません。

しかしまだノイズは出てますねー。






早く電解コンデンサを交換した方が良さそうなのでトランジスタはどんどん交換していきますね。



2SC1775を2SC2240に交換します。
実は2SC2240も入手困難になってきました。考えなければ・・・




2SA872を2SA970に交換します。








この時点でだいぶノイズが減ってきましたねー。




次は放熱器に取り付けられた2SD476Aを




2SD880Lに交換します。




この時点で500mVとかあったDC漏れが200mVくらいまでに減ってきました。
まだDC漏れのある状態ですがだいぶノイズも減り、怖いほどのバチバチではなくなってきました。




DC漏れは電解コンデンサが原因の可能性が高いと思っていますが
トランジスタも関係しているということですね。

しかしそれでも早く電解コンデンサを交換してしまいたいので
残りのトランジスタを交換していきます。



あと残っているトランジスタは入力部分とPHONO回路部分だけです。

入力部分からいきます。

2SC734を2SC1815-Yに交換します。




2SA844を2SA1015Lに交換します。




2SA673Aも2SA1015Lに交換します。




これでDC漏れがさらに減り、69mV〜117mVで変動するくらいになりました。

ノイズもだいぶ減ってきました。





最後にPHONO回路部分です。

2SA673Aや2SA872は他の箇所と同じくそれぞれ2SA1015Lと2SA970に交換し、
2SB560を2SA965に交換します。








ここで予想外の展開が起きます。





まぁ一番関係ないだろうと思って後回しにしていたPHONO回路部分ですが・・・



PHONO回路部分のトランジスタを交換したら左チャンネルだけ音が出なくなりました。




ある意味、一番恐れていた事態が発生してしまったと言わざるを得ません・・・



トランジスタを交換したら音が出なくなったのですから、原因は「トランジスタを交換したこと」でしょう。

すみません。余計なトラブルを発生させてしまったようです。



実は、不具合を直している途中で
不注意や不可抗力によって新たな不具合を発生させてしまうということは結構あります。

もちろん何事も無いにこしたことはないのですが、古い機器を修理しているといつか必ず遭遇しますので
そういう時にでも投げずに対処しなければなりません。

もしかすると修理に於いては、こういう事態に陥らないことよりも、
こういう事態に陥った時に対処出来るかどうかが肝心なのかもしれません。



冷静に素早く対処します。



しかし・・・

TUNERやAUXだと左右両方からちゃんと鳴るので、PHONO回路部分に原因があるはずですが
なかなか原因が見つかりません。

右チャンネルは正常に音が出るのでトランジスタの選択や向きを誤ったということもありません。

導通をチェックしてもはんだ付け不良や接触不良の箇所もありません。

やむを得ず一度取り付けたトランジスタを外して測定、確認しましたが正常です。

オシロスコープで信号を辿っていくと、3段あるトランジスタ回路のうち
2段目のトランジスタの入力までは信号が来ていますが、そこから出力されていません。



まずこれが入力信号です。






これが2段目のトランジスタのエミッタから出力されるはずの信号。 これが出ていません。




普通に考えればこのトランジスタが不具合の原因かと思いますが
取り外して確認してもトランジスタ自体は壊れていません。

そこで各部の電圧をチェックすると、トランジスタのコレクタに印加されるはずの電圧が足りないようです。

そうするとこの3つの抵抗器と1つのコンデンサしか考えられません。




しかし取り外してチェックしても正常なんですよね・・・



3時間も格闘しましたがどこにも原因が見当たりません。



まさか電解コンデンサが原因ということはないと思いますが、
とりあえず電解コンデンサが原因である可能性を排除する為に
PHONO回路内の電解コンデンサだけを先に交換することにします。


今回のアンプで交換するコンデンサ。






交換した結果、左チャンネルは音が出ないままです。

ちなみにこのPHONO回路ですが
何故か回路の左側が右チャンネルで右側が左チャンネルになっていてややこしいです。
メインの基板はちゃんと左側が左チャンネルで右側が右チャンネルなのに。




初心に戻ります。



トランジスタを交換したら音が出なくなったのですから、原因は「トランジスタを交換したこと」でしょう。

しかしトランジスタは2つとも正常で、取り付けも確実です。


しかも他の部品も異常はないので、「原因は部品ではない。」と判断して基板を観察し・・・



やっと発見しました。



基板を洗浄して綺麗にするまでヤニに隠れて見えなかったのですが、これでした。




導通してはいけないところが糸のようなはんだの線で繋がってしまっていました。

これを除去しただけで、左右とも音が出る状態に戻りました。



いつも思うのですが、原因不明の難しい不具合ほど「ちょっとしたこと」が原因なんですよね。

解決出来てよかったです。


お昼頃に始まったプチトラブルが解決したのは夜中の2時過ぎでした。



とりあえず全てのトランジスタを交換して、あとは電解コンデンサを交換するという状態です。




トランジスタの交換だけでは除去しきれなかったノイズがどこまで減るかです。




端からいきます。 まずはここから。




こうですね。




次にこのへん。 ここまで交換したらまたノイズが収まってきたようです。




劣化して容量が肥大してますが、一応まだ使おうと思えば使える状態です。
それでもやはりノイズの原因にはなるということでしょう。




1つだけ他のと異なるコンデンサがあります。双極性コンデンサです。
BP(バイポーラ)とかNP(ノンポーラ)といいます。




ここまで交換しました。 だいぶノイズも減って安定していますが完全には消えてないですね。




バイアスもかなり安定しています。

とりあえず70mA程度流すということで15mVに設定しています。
0.07A × 0.22Ω = 0.0154V (≒15mV)




ここまで交換しました。 どんどんノイズが減っていきます。




まだ手前の内側に隠れた電解コンデンサが残っています。

屋根のように基板があって邪魔なので
世界中の人々から 「手の届かない場所」 と恐れられているとかいないとか・・・




交換しました。




これで電源の平滑コンデンサ以外は全て交換しまして、ほとんどノイズが無くなりました。

無音で しーん・・・ としています。




交換したトランジスタと電解コンデンサ。




DC漏れも無くなりました。

100mV以内が合格圏内で、出来ることなら10mV以内に抑えられれば良いとされていますが
左チャンネルが11mV〜6mVです。




右チャンネルに至っては2mVです。




修理前はVOLUMEを0にしてもガサガサ、バチバチ鳴っていたノイズが無くなり、無音で しーん・・・ としています。

レコードも良い音で聴けます。





しかしずっとレコードを聴いていると、また ザザッ というノイズが入りました。

さらに パチっ! って鳴りました。

まだ終われません。





接触不良だと思って丹念に根気よく探した結果、接触不良の箇所を断定しました。

この赤い配線材です。




よく考えてみたらこの赤い配線材には茶色い紙テープが付いていて束ねずにフワーっと浮いてますね。
やはりこれか。


つまり、

・トランジスタの劣化によるノイズ
・電解コンデンサの劣化によるノイズ
・DC漏れによるノイズ

これらに加えて、

・接触不良によるノイズ

も重なっていたようです。



まぁ今まで他のノイズに埋もれていたのが露出してきたんだな、と。


それで・・・

断線しかけているのか、はんだ付け部分の接触不良なのかを調べていたら

どうもこの配線材だけじゃなく、他の配線材も接触不良のごとく、触れるとバチっ!!って鳴ったりします。

さらには基板上の部品も丹念に棒で押していくと、あちこちで バチっ!! って鳴ります。
挙句の果てにはスイッチやつまみの位置によってもザーザーで始め・・・

配線材を動かしてどの位置に固定するかで大きなノイズが ザザザザザ と出たり、
そのノイズも右から出たり左から出たり、スイッチやつまみのガリも出始め・・・



どんどん状態が悪くなっていくではありませんか!!



赤い配線材とは別の配線材をグラグラ動かしていたら、保護回路が作動して音が出なくなってしまいました。

電源を入れ直しても1秒くらいで保護回路が作動して音が出なくなります。



もうね、冷や汗もんですよ(苦笑



最悪の場合、全てのはんだを除去して再はんだして、配線材も全て交換するしかないとか
御依頼主様に連絡して1ヵ月くらいかかってもいいか聞こうかとか色々考えてしまいました。


しかし、最初は接触不良だと思ったのに、常に ザーーーー っていうノイズが出るようになってますので

これは接触不良ではないな? と。



仕方がないので、本当は最後に交換しようと思っていた電源の平滑コンデンサを交換します。




ニチコンのオーディオグレードのKWです。
大きさが小さくなりますがこれは時代と共に小型・高性能化されたということです。




もちろんこれで直るとかは期待していません。
今回の症状がノイズだったこともあり、今後も安心して使い続けて頂く為と
今のノイズの原因としてこの平滑コンデンサの可能性を排除する為です。



もちろん改善されませんでした。 (正直に言うとちょっとは期待してました・・・)

でもまぁかっこいいですよね。






分かった、これだ。

これも調整出来ていたので最後にしようと思っていたのですが、アイドリング調整用の半固定抵抗器です。
錆びると接触不良を起こすのです。




しかし先生・・・

交換しても改善しません。








今回は悩む時間が多くて寿命が縮まります・・・





今は右チャンネルから ザーーー というノイズが常に出ているので
右チャンネル用の回路の中に原因があるということです。




この中の部品をじーーーーーっと見つめます。



そして、やっと特定出来ました。 これでした。

型番が見えませんが2SA798というデュアルトランジスタです。 右チャンネルのやつです。




型番が見えました。




ほぼ全てのトランジスタを交換したのですが、これは特殊なうえに入手困難でして
あってもプレミアが付いて値段が高すぎるので最悪の場合でもなければ交換しないことにしていたのです。

でもこれは特殊とは言っても2つのトランジスタが1つのパッケージにまとめてあるだけなので
特性の揃った汎用のPNPトランジスタを並べてエミッタ同士を繋げれば同じことなのです。

こういうことですね。




ちなみにこれ、測定しても壊れていないことになってますからね。
普通にチェックしても正常だと判断してしまうものなんですよ。

でもこれが原因だったのです。




これを交換しただけで、今までのあちらこちらの接触不良の症状やガリ、ノイズが
全て ピタっ!! と消えて、配線材を動かしても部品を棒で押してもバチッと鳴らなくなりました。



完全に直りました。



もしこれで駄目ならリレーの接点とかセレクタースイッチの接点とか色々と考えていたんですけど
いま思えばわりとスムーズに発見出来たので良かったです。

まぁ 「スムーズに」 といっても昼から悩み始めて原因を特定出来たのは夜中でしたが(爆



途中で左チャンネルでも同じ症状があったので、左右とも交換しておきました。




しかも、DC漏れもさらに改善されました。 最初は500mVあったDC漏れですが、
理想は0V、合格基準が100mV以内で10mV以内であれば尚良いとされているところを
ほぼ全てのトランジスタと電解コンデンサを交換したことで
左チャンネルが11mV〜6mV、右チャンネルで2mVにまで改善されていたところ・・・

左右のチャンネルとも0V〜2mVになりました。






ということで・・・



やっと肩の荷が降りました。






最後にVUメーターの感度調整用の半固定抵抗器も交換しておきましょう。

ここもついさっきまでちょっと触れるとバチバチ鳴ってたところなんですけど
今ではいくらいじっても揺らしても何のノイズも出ません。




前面パネルを外さないと基板を裏返せないんですよねこれ。




外したパネルも可能な限り綺麗にしておきます。




交換しました。 これで心残りはありません。






修理完了です。




アイドリングも良好。




3時間ほど動作確認しましたが安定していてノイズもゼロです。




お疲れ様でした。



今回の修理は焦りましたねー。
PHONO回路のトラブルは完全に自分のミスなので反省しなければならないところですね。
はんだ付け自体は温度や吸着の具合などに気を使ってちゃんと理想の富士山型になっているのですが
まさか糸のようなはんだで繋がってしまっていたとは。

でもこれからも修理をするとこういうことは起こり得るのだという認識を持てました。
「こんなことはあるはずかない。」という前提は危険ということです。

車の運転みたいですね。 もしかするとたまにはヒヤっとする思いをした方が注意深くなれるかもしれません(苦笑


そして本当に焦ったのは一旦全てのノイズが消えたと思ったところからの接触不良の症状です。

たった一つの、それもテスターでチェックしても問題ないトランジスタの劣化が原因で
あらゆるノイズが出るし、配線材を揺すっても抵抗器を押しても接触不良のバチっ!という音が鳴るし
それもあちらこちらで接触不良の症状が見られ、挙句の果てにはスイッチやつまみにガリまで出るという・・・

でも実際にトランジスタ一つを交換しただけでそれらの症状がピタっと消えるわけです。
ここまではっきりと、全然関係ない部分に、しかも複数の箇所で複数の症状が表れるというのは
今回が初めての経験かもしれません。


しかしやっぱり思うのはいつも言ってることなのです。

修理が終わってしまえば、
「なぁんだ。最初からあのトランジスタも交換しておけば良かっただけの話じゃないか。」
って思えてしまいがちですが、それは修理が終わって答えを知ってるから言えることなのです。

自分で一番最初に
「トランジスタ、電解コンデンサ、はんだ等の劣化が原因であることが多いです」
と言っていても、原因を探のに苦労しているのですから。


また、たまたま最後に残ったのが2SA798だったから2SA798の不具合が浮き彫りになっただけで
最初に2SA798を交換していたとしても、他のトランジスタや電解コンデンサのノイズに埋もれてしまい、
様々な原因の中の一つに過ぎないということになると思います。

500mVもあったDC漏れとノイズが、トランジスタと電解コンデンサを交換していく度に改善されて
2SA798を交換する前にだんだん6mVにまで下がっていったことからも言えると思います。

あとは、こうして様々な経験をしながら「こういう症状の場合はここを疑う。」というスキルが身に付くのですが
別の機器を修理していて同じような症状があったとしても、同じ原因だとは限らないわけです。

「虎の巻」のような修理のバイブルなどがあっても、参考程度にしかならないということです。
それでも自分用に修理のバイブルをまとめていこうかと思っているわけですが(笑

2020.7.1

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