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No.28「Marshall / Bass12 修理」


どーん!!

先日うちで Marshall Lead12 を修理した時のご依頼主様から、今度は Bass12 の修理依頼を受けました。
Lead12 が気に入ってしまったようで、これもヤフオクで入手したとのことです。

症状ですが、

・シールドさしてない状態でハムノイズが出る
・Volumeつまみの1と10のポジションでそのノイズが一番大きく、5のポジションでハムノイズが少しひっこむ。

とのことです。


普段Lead12を見慣れているせいか、レアな香りがプンプンします(笑




ブラックパネルがかっこいい。




これはMarshall Leadシリーズのベースアンプですが、Youtubeで検索するとギターで鳴らしてる動画の方が多いかも。
ベースアンプと分かったうえであえてギター用として使っているのかどうか、真意の程は分かりませんが
ヤフオクでは「ギターアンプ」のカテゴリーで出品されてたりもしますね。

一応カタログではベースアンプということになっています。
(初期モデルはコントロールパネルがゴールドだったようです。)




ただ、私は昔からベースアンプでギターを鳴らして遊んでたりもしていましたし
Marshallのアンプは全体的に高音寄りなので、自宅でMarshallのベースアンプをギター用として使うことに関しては
個人的にはわりと肯定的なスタンスです。

っていうかこれ、やっぱりレアですよね。 Lead12より出回る数も少ないし稀少だと思います。
ベース用としては (元々ベース用ですが) メタル系のピック弾きに向いてると思います。



コントロールは GAIN、VOLUME、TREBLE、MIDDLE、BASS。
Lead12と同じです。




シリアルは W37370




背面。




スピーカーはLead12と同じCELESTIONですが、Lead12が25Wだったのに対してBass12は35Wです。





それではお待ちかねの基板を見てみます!!

見た目はLead12と全く同じです!! (完全に想定内です(笑)




えーと、CM7・・・違うか、7/11/88 か。 検品日が88年11月7日の1988年製ですね。
あくまでも 「JAPAN」 は日本輸出用という意味で、これは英国製です。 




オペアンプはLead12の中期以降と同じMOTOROLAのMC1458CP1。 (初期はRCA製)
何の印なのか分かりませんが、黄色い丸シールがオペアンプにかかっちゃってますよ先生!




パワートランジスタもLead12と同じMJ3001とMJ2501




エミッタ抵抗もLead12と同じ0.33Ωです。 うちのLead12のWシリアルと同じTY-OHM製。
そうです。 例のTY-OHMです。




可変抵抗器の抵抗値も全てLead12と同じでした。

まぁギターアンプとベースアンプの違いは仕様する周波数帯域の違いだけですので
異なる箇所は基本的にトーンを決める部分の定数が異なるだけっていう感じですよね。




Lead12とBass12で具体的にどこの部品がどう異なるのかは修理をしながらじっくり見ていきましょう。



ではノイズの原因を探っていきます。


最初のうちだけやや接触不良な個所があちこちにありましたが
つまみをクルクル回したりジャックを抜き差ししているうちに直ってしまう程度のもので
まぁノイズの原因になるような接触不良ではないですね。


ちゃんとした原因がどこかにあるはずです。


まずはスピーカーですね。

Bass12のスピーカーに手持ちのLead12の基板を繋いで鳴らしてみると「ジー」って鳴りません。




対照実験として、今度はLead12のスピーカーにBass12の基板を繋ぐと「ジー」って鳴ります。
VOLUME「0」と「10」でノイズが大きくなり、真ん中ではノイズが目立ちません。


つまり、スピーカーは正常で、ノイズの原因はBass12のアンプユニット側にあるということです。


早くも原因が潜んでいる範囲が狭まりました。



気になったのはアイドリング電流です。
大抵のトランジスタアンプは出力段トランジスタのエミッタ抵抗に常に僅かな電流を流しておくことで
動作を安定させているわけですが、その電流の量が多過ぎるんです。

これはアイドリング電流とも呼びますが、「BIAS(バイアス)をかける」とも言いますし
電流を測定するには回路を切断して測定器を割り込ませなければならないので
実際の測定は回路を切断することなく、エミッタ抵抗の両端の電圧を測定することによって
オームの法則から電流を計算で求める方式を用いるのが一般的なので、「アイドリング電圧」とも言います。
「バイアス電圧」とも言いますし、単に「バイアス」とも言います。
私も色々な言い方をしますのでご容赦下さい。

Lead12は回路図でアイドリング電流を12mAに設定していることを確認済で
Bass12もエミッタ抵抗が0.33Ωですから、エミッタ電圧が4mV付近に設定すべきところが
(0.012A×0.33Ω=0.00396V)
実測で17mV以上ありました。

アイドリング電流が50mA以上流れていることになります。


なのでこれを4mVに調整して12mAのアイドリング電流を流したいんですけど・・・


これは Lead12 もそうなのですが、初期にはBIASを調整する為の半固定抵抗器が付いていたのに




中期以降は470Ωの抵抗器で固定になってしまったのです。




そこで、まずは調整可能な Lead12 の方で実験をします。
半固定抵抗器を回して、あえてアイドリング電圧を上げてみたところ
だいたい60mVまで上げると 「ジー」 というノイズが出てきました。

しかも、VOLUME「0」と「10」でノイズが大きくなり、真ん中ではノイズが目立ちません。

そうです。まさに Bass12 で出ているのと同じ症状のノイズなのです。


これが原因に違いない!! はーっはっは!!

ということで、 Bass12 に半固定抵抗器を取り付けてアイドリング電圧を4mVに調整しました。




しかし・・・

確かにアイドリング電圧を一定以上にまで上げると 「ジー」 という音が大きくなり
アイドリング電圧を4mV付近にまで下げればこの音は小さくなっていきますが
まだLead12に比べると 「ジー」 という音が気になります。

つまりこれは直接的な原因ではなくて、アイドリング電圧に付随してノイズの音量が変化してるだけですね。



次はオペアンプを調べてみます。




オペアンプなどのICが電圧過多とかで壊れると 「ビー」 というノイズが出たりします。
その弱いノイズということもあり得ないことはないかもしれないという感じです。

丁寧に取り外します。




新品のMC1458CP1は在庫があるので、本当は新品に交換してみる方が確実なのですが
それだとまた取り付けて、外して、取り付けて・・・になってしまいます。
オペアンプはあまり付けたり外したりを繰り返したくないし、ここはあまり疑ってないので
互換性のある同じ2回路入りオペアンプを使用した自作のエフェクターに装着して動作確認をします。
これはかなり前に製作した、4558バージョンのOD-1です。




4558と比べても全くノイズは出ませんね。 オペアンプは問題なさそうです。
この方法だと確認の仕方としては甘く、完全に疑いが晴れるわけではないんですけど
オペアンプの端子部分のプリントパターンは細くて剥がれやすいので
「ここの確認の重要度」と「プリントパターンの保護」を天秤にかけることになります。
どうしてもという時には交換するとして、とりあえずこれはこれで元に戻して他を探します。



あと気になったところ。

接触不良がないかどうか、手で部品を一つ一つグラグラさせてみた時に
「ちょっと温かいかなー?」 と思った「C13」の電解コンデンサがあります。




22μFの表記が下側を向いてて確認しづらかったんで取り外して丁度良かった。



22μFが実測で23.74μF。 まぁ許容範囲ですね。



新品の電解コンデンサをクリップで取り付けてみましたが何も変わらないので元に戻しました。



次に、密かに怪しいと思っていたのが「W005F」というブリッジダイオードです。



交流を直流に変換する役割を担っています。
怪しいと思うのは、壊れやすいということと、ブリッジダイオード自体がノイズの出やすい部品だからです。

ブリッジダイオードに限らずダイオードというのはノイズが出やすい部品なのです。

手持ちの在庫は「W02G」ですが、「W005F」が耐圧50Vなのに対して「W02G」は耐圧200Vですので
大丈夫どころかオーバースペックでこちらの方が安心です。

本当は端子が長いままというのは良くないんですけどね。
怪しいと言っておきながら元に戻す気満々なわけですよ(苦笑




何も変わらないので元に戻します。



多分ですけど、「ここは原因ではないだろう。」 という箇所から確認していってます。
「ここが原因だろう。」 という箇所から確認してしまうと、もし違ったら困るからです(苦笑

まぁ外側からジワジワ攻めるという感じで。


えーと、Lead12でもアイドリング電圧を上げると 「ジー」 というノイズが出て
しかも、VOLUME「0」と「10」でノイズが大きくなって真ん中ではノイズが目立たないという
全く同じ症状になるので、可変抵抗器が原因ではないという確信を持ってはいるのですが

よく見るとVOLUMEの可変抵抗器だけ色が違うんですね。




VOLUMEだけちょっと色が濃いのです。




なるほどなるほど、分解せずにスプレーを吹いた跡らしくテカテカしてました。




万が一 CURE 5-56 のような潤滑剤だとまずいので、一応分解クリーニングしておきましょう。
一旦、パーツクリーナーで油分を完全に除去してから、接点の部分にだけ接点復活剤を塗布しておきました。





そして・・・


同じ1MΩの手持ちの可変抵抗器を取り付けてみます。




やはりノイズは全く変わらず出ます。
これの前にジャンパー線と1MΩの抵抗器でVOLUME「0」の状態を再現しましたがそれも同じでした。

可変抵抗器は関係ないということが確定しました。 後で元に戻します。



もうね、どんどんいきますよ。

次はトランスです。

トランス自体がノイズの発生源ってこともあるでしょう。
まぁトランスってなかなか壊れないものなんですけどね。

まずこれが Bass12 のトランス。




そしてこれは Lead12 のトランス。 何か違いませんか?




Lead12 は2次側のセンターのGND線がトランスのカバーの取り付けネジに繋いでありますが




一方、Bass12 のGND線はシャーシーに直接繋いであります。




どう考えてもこれでGNDループは考えられないと思いますが、万が一、念の為ということで
Lead12 と同じところにGNDを落としてみます。




何も変わりませんでした。


それよりも・・・


トランスから電源の線(交流の14.3Vが2本)を外して、Lead12のトランスを使ってBass12を駆動させてみます。




こういう感じですね。 良い子は真似しないで下さいね。




Lead12のトランスを使ってBass12を駆動させるとノイズが出ます。

逆に、Bass12のトランスを使ってLead12を駆動させるとノイズが出ません。

ゆえに、トランスはノイズの原因ではありません。


これでノイズの原因は完全に基板の中にあるということが確定しました。

一応ジワジワと原因が潜んでいる範囲が狭まってきているとは思います。



次はトランジスタ。

トランジスタは 「動作はするけどノイズが出る」 という壊れ方をすることがあります。
また、発熱によって劣化してhFEが低下してしまうことも多く、それでノイズが出ることも考えられます。

これは新品に交換してみれば分かりますね。
外す前にとりあえずBC184とBC212の端子電圧を測定してLead12と比較してみます。




【Bass12】
TR1 (BC184)
: C=17.03V
 B=-0.05V
 E=-0.66V
TR2 (BC184)
: C=17.65V
 B=-0.03V
 E=-0.66V
TR3 (BC212)
: C=0.79V
 B=17.01V
 E=17.64V
TR6 (BC184)
: C=0.79V
 B=-0.5V
 E=-1.16V


【Lead12】
TR1 (BC184)
: C=17.02V
 B=-0.41V
 E=-1.02V
TR2 (BC184)
: C=17.68V
 B=-0.38V
 E=-1.02V
TR3 (BC212)
: C=0.15V
 B=17.05V
 E=17.68V
TR6 (BC184)
: C=0.15V
 B=-0.87V
 E=-1.53V


まぁ特に目立って変な電圧というのはありませんでした。



これだけでは分からないので、新品の代替品に交換してみます。

TR1のBC184。海外製なので響きはかっこいいですけど、単に汎用NPNトランジスタです(笑




hFE=515 でした。




実際に交換するなら同じものを在庫してますがこれは実験なのでとりあえず2SC1815Lで代用します。

hFE=272 ですけどノイズが出るかどうかを診るだけなので、いいじゃないですか、ちょっとくらい。(注釈1)




------ (注釈1) --------------------------------------------------------
「いいじゃないですか、ちょっとくらい。」 というのは
仮面ライダー・アギトの主人公である翔一くんが第34話で氷川刑事に言ったセリフです。
-----------------------------------------------------------------------



ただし、BC184の端子配列は左から C-B-E で、2SC1815Lの端子配列は左から E-C-B なので
取り付けの向きを工夫する必要があります。

まぁちょっと足を曲げて横向きに取り付ければOKです。





TR2もBC184ですので同じです。 hFE=513 でした。





TR3はBC212で、汎用PNPトランジスタです。 hFE=72 でした。




これはPNPなので2SA1015で代用します。
hFE=246あるけど・・・いいじゃないですか、ちょっとくらい。




TR6もまたBC184なのでさっきと同じです。
これらはそれぞれ元の場所に戻すので、どれがどこにあったか分かるように置いておきます。




触って動いちゃうとアレなのでセロテープで留めておきます。 とても大事なことですね。




交換しました。





ノイズは出たままで何も変わりませんでした。 これらのトランジスタは原因ではないということです。

とっとと元に戻します(苦笑


っていうかさ、「やっぱ BC184 と BC212 じゃないと駄目だよな〜」って言いたいんだけど
汎用品の 2SC1815 と 2SC1015 にしても違いなんか分からないっていう冷めた現実・・・(苦笑


とりあえずトランジスもVOLUMEの可変抵抗器も、試しに交換したものは全て元に戻します。
ただしノイズの原因とは別に、BIAS調整用の半固定抵抗器はあった方がいいものなので
とりあえずこれだけは残しておきます。とりあえずね。





次にこれ、今さら気付きました。

Lead12には付いている「C7」のコンデンサが・・・




Bass12には付いていないんです!!




えーと、見にくくてすみませんね。
以前スタックタイプのLead12(3005)の回路図を元にLead12(5005)の回路図をチェックしたやつ。
(自分ではこれで分かりやすいので清書していません・・・)

Lead12 5005 checked by GUITARDER
lead12_5005_schematic_check_guitarder.jpg


「C7」というのはトーン回路の部分で使ってるコンデンサなのです。




これ、GNDに落としてあるやつなんですよ。 これが無かったらここ、GNDが浮いてしまいます。


が・・・


Lead20(5002)、Keybord12(5301)、Keybord20(5302)、Bass20(5502)が載ってる回路図があって
一番似ている Lead20(5002)の回路図を見てみたら、「C7」のコンデンサは無いんですね。




ちなみに Bass20(5502)のPreAmpの回路図は手元の Bass12(5501)とは全然違うので参考になりません。
Lead12(5005) の基板と回路図を見た方が早いです。




とりあえず「C7」は取り付け忘れたわけではなさそうです。

念の為ワニクリップで「C7」の位置に0.022μFを取り付けてみましたが、何も変わりませんでした。



あと「C11」のコンデンサも無いですよ。




Lead12 のSシリアル(初期)にはあります。 中期以降は省略されています。




スタックタイプの Lead12(3005)の回路図には無かったのですが
コンボタイプの Lead12(5005)の初期には付いているので自分で描き加えてあります。




Lead12 の中期以降とBass12 では省略されているということです。
Bass20 にも無いですね。

ワニクリップで取り付けてみましたが「ジー」というノイズは消えませんでした。



うーむ・・・


色んなとこの電圧を測って怪しい箇所を探しているのですが、例えばR23とR24の抵抗器とか。




これはオペアンプの入力電圧を1kΩの抵抗器を介して下げているのです。
R23が正電源側用で、R24が負電源側用です。

回路図では元々の電源電圧は±19Vの両電源になっています。
実測で17V〜18Vですが、MC1458CP1の最大定格は18Vなので、この設定では定格オーバーなんですね。

なので、1kΩの抵抗器を介して電圧を下げてオペアンプへの供給電源としているわけです。


それでですね・・・

Lead12の電源電圧が17.6Vで




Bass12の電源電圧も同じく17.6Vなのですが・・・




1kΩの抵抗器を介した後の、オペアンプの入力電圧が異なるのです。


Lead12 は13.93Vなのに対して




Bass12 は15.58Vもあるのです。




定格を超えているわけではないのですが、元の電圧がほぼ同じで同様に1kΩを介しただけなのに
Bass12 のオペアンプの入力電圧の方が1.6Vくらい高いんです。
まぁ同じLead12同士でも個体差はあるのであまり細かいことは気にしちゃいけないのかもしれませんが

気になります。



なので・・・抵抗器を3.3kΩにしてオペアンプの入力電圧を下げてみました。

ワニクリップで済むものは極力はんだ付けせずにワニクリップで済ませます。




11.4Vになりました。




なにも変わらないですね。 ノイズもギターの音も変わりません。

それどころか、抵抗器を取り外した状態でも 「ジー」 というノイズは出ています。
オペアンプに電源を供給していなくてもノイズが出たままということです。

オペアンプも関係ないということです。



これでまた原因が潜んでいる範囲が狭まってきました。



ただオペアンプは関係ないとはいえ、オペアンプ入力電圧用の平滑コンデンサの容量も見えないし
電圧の下がり方に差があるのが気になるので、一応電解コンデンサを外してみました。

Lead12と同じ22μFでした。




許容範囲ですし特に問題ないですねぇ。




1kΩの抵抗器も Lead12 と Bass12 でほとんど誤差もなく、ただその抵抗器を通しただけなのに
Bass12 の方が電圧降下後の電圧が高いということです。

もし流れている電流が多いなら電圧降下前の電源電圧の時点で差が出ているはずなので
オペアンプやオペアンプ周辺の回路の負荷抵抗が違うのかな?

ちょっと気になりますが、とりあえずノイズの原因ではないようですので次にいきます。



こうなったらノイズの発生源を探す裏ワザを使います。

指で直接部品の端子に触れてみて変な音が出る箇所を探します。
触ってはいけない高電圧と触っても大丈夫な電圧の場所の区別が付かない人は真似しないで下さい。



・・・ありました。 「R12」の抵抗器の上側の端子です。

Lead12 は指で触っても何も鳴りませんが、Bass12 の「R12」は指で触れると 「ビー」 って鳴ります。




プリントパターンを反転させて上から透かして見た状態にすると、ここの部分です。





しばーらく首をかしげながらあちこちの電圧を測定して・・・・・・気付きました。



これです。


基板を外したり戻したりするのに両端の樹脂ナットだけで固定して音を出していて
可変抵抗器の金属ナットはいちいち締めていなかったので




VOLUMEの可変抵抗器がシャーシーと密着していなくてアースがとれていなかったのです。




そのせいで、「R12」の端子に指を触れると 「ビー」 って鳴っていたのでした。
試しに Lead12 もナットを外してアースを浮かせて「R12」の端子に触れると 「ビー」 って鳴りました。


よって、これも今回のノイズとは関係ありませんでした。

ちなみに、だからといってノイズの確認の度に基板のナットを全て固定しなくても
指で「R12」の端子さえ触らなければ両端の樹脂ナットだけでも大丈夫です。



余計な寄り道をしてしまいました・・・



こうなってくるとあとは何ですかねぇ・・・

パワーアンプ部の最終段トランジスタの MJ3001 と MJ2501 を交換するのは大仕事なので
それは本当の最後の手段に取っておきたいです。(実は今これが一番怪しいと思っています。)



あとはこれも違うはずですが、ちょっとだけ気になっているのは電源スイッチの配線です。




こっちは Lead12 ですが、ちょっと異なっているように見えます。




絵で描くとこうなります。

うーむ・・・




同じか。



そして・・・


ついに発見しました。



先生!!

スピーカーを繋いでいないのに音が鳴ってます!!

シャーシー(金属ケース)が振動して 「ジー」 って鳴っているんです!!



音量は気にならないくらい小さいし、当然VOLUMEをいじっても変化しないんですけど
まさに今まで聞いていたあのノイズの音と同じ音です。




トランスの振動ですね。

実は正常な Lead12 も常に小さな音で 「ジー」 って鳴っているんですけど
それもこの振動音でした。

シャーシーに耳を当てると 「ジー」 という音が大きく聞こえます。

Lead12 も Bass12 もどちらも鳴ります。





そして、この Bass12 の方だけ
シャーシーの 「ジー」 という振動音と同じ音が、スピーカーからも出てしまっているのです。



あたかも 「トランスの振動がノイズの原因」 のようになっていますが
「トランスのせいではない。」 ということは既に対照実験で証明済なので、理論を少し整理します。


発生源はトランスの振動であり、そのトランスの振動がシャーシー(金属ケース)に伝わって
シャーシー自体が小さな音で 「ジー」 と鳴っているわけですが、その 「振動」 を基板のどこかで
音声信号に変換してしまい、スピーカーから 「ジー」 という音を出している・・・と。


これは 「マイクロフォニック現象」 もしくは 「音鳴き」 と呼ばれる現象ですね。


真空管の電極が振動して音を発してしてしまうことはよくあるらしいのですが
稀にコンデンサも電極板が振動を拾ってしまうことがあるらしいのです。
そしてコンデンサは振動を音に変換する性質を持っています。

要はコンデンサーマイクと同じ原理が作用してしまっているということですね。



じゃぁ、どれかのコンデンサが原因だ。  ということになります。



とりあえずBOXコンデンサあたりが怪しいので1つずつ手持ちのフィルムコンデンサに交換してみます。




しかし、2個目を交換して問題ないことを確認したところで、どうも腑に落ちなくなりました。
他の Lead12 でも使ってるようなコンデンサがたまたま壊れるとか不良とかってあまり考えられないです。

そして思い付きました。

最初に基板を持ち上げてみるべきでした。

手で持ち上げた状態で電源を入れても 「ジー」 って鳴るわけですよ。




そうです。

シャーシーの振動が伝わっていない状態でも 「ジー」 って鳴るということです。

つまり 「マイクロフォニック現象」 ではなかった、ということです。



仕方がないので普段は疑わないようなものも疑います。
電源のパイロットランプ自体を疑ってみます。

スイッチをキャンセルしてパイロットランプをスルーして点灯させないようにしてみました。
コンセントの抜き差しで電源を ON / OFF します。




ノイズは消えません。 これも関係ないですね。



うーむ。

振り出しに戻った感じです。

結構どこにも問題がない状態です。

もう MJ3001 と MJ2501 を交換してみるしかないのでしょうか?(苦笑



気分転換に Lead12 Sシリアル(初期)と Bass12 の違いを比べてみます。

★印が付いている箇所の値が異なるだけです。

Bass12 の抵抗器4本とコンデンサ4個を交換すれば Lead12 になるということです。


(注意点)
・「C11」のコンデンサが付いているのは初期だけで中期以降は省略されています。
・初期にだけアイドリング調整用の半固定抵抗器(1kΩ)が付いていて、中期以降は470Ωで固定です。
・スピーカーは Lead12 が25Wで Bass12 は35Wなので Lead12 を Bass12 にする場合は注意が必要です。
 まぁ25Wで大丈夫なはずですけど。



【抵抗器】

  
R1
R2
R3
R4
R5
R6
R7
R8
★R9
★R10
★R11
R12
R13
R14
R15
Lead12
330k
33k
68k
47k
10k
2.7k
10k
10k
★100k
★68Ω
★10k
100k
2.2k
4.7k
1k
Bass12
330k
33k
68k
47k
10k
2.7k
10k
10k
★10k
★1k
★22k
100k
2.2k
4.7k
1k

  
R16
★R17
R18
R19
R20
R21
R22
R23
R24
R25
R26
R27
Lead12
100Ω
★1k
1k
2.2k
2.2k
0.68Ω
270Ω
1k
1k
0.33Ω
10Ω
0.33Ω
Bass12
100Ω
★2.7k
1k
2.2k
2.2k
0.68Ω
270Ω
1k
1k
0.33Ω
10Ω
0.33Ω




【コンデンサ】

  
C1
C2
C3
C4
★C5
★C6
★C7
C8
C9
C10
Lead12
0.022μF
220pF
2.2μF
0.01μF
★0.002μF
★0.022μF
★0.022μF
0.047μF
220pF
0.002μF
Bass12
0.022μF
220pF
2.2μF
0.01μF
★0.001μF
★0.047μF
★なし
0.047μF
220pF
0.002μF

  
★C11
C12
C13
C14
C15
C16
C17
C18
C19
Lead12
★220pF
220pF
22μF
100μF
22μF
22μF
0.22μF
2200μF
2200μF
Bass12
★なし
220pF
22μF
100μF
22μF
22μF
0.22μF
2200μF
2200μF




まぁ Lead12 仕様に変更したからってノイズが消えるとも思えないですし・・・

次にいきましょう。



いよいよ大詰めですね。

(実はここだけの話、「もしノイズの原因が見つからなかったらどうしよう。」 という不安が膨らんでいます。)



上の方で載せた回路図なんですけど、上側がプリアンプで、下側がパワーアンプなんですよ。
分かりやすいですよねー。




それでですね・・・

プリントパターンをいくら凝視して探しても繋がっちゃいけない線が繋がってるような箇所もないし
GNDループになってるような変な配線とかも見つからないので
やっぱりある程度、場所的に特定していった方が探し易いんじゃないか? ということで・・・


ノイズの発生源がプリアンプとパワーアンプのどちらかに特定出来るかどうかを試してみます。


プリアンプとパワーアンプはカップリングコンデンサの「C8」で結合されているので
「C8」のコンデンサを外してプリアンプとパワーアンプを切り離し、「C8」の上の穴にすずメッキ線を出します。




この処理を Lead12 と Bass12 の両方に施します。

これで、プリアンプ側はすずメッキ線、パワーアンプ側はR12の抵抗器の足を使って
ワニクリップで自由に組み合わせて連結出来るようになります。
もちろんカップリングコンデンサの「C8」=0.047μFは外付けします。


ということで、Lead12の プリアンプを使って Bass12 のパワーアンプを鳴らしたり
Bass12 のプリアンプを使って Lead12 のパワーアンプを鳴らしたりすることが出来ます。

電源はパワーアンプ側の電源だけを使うので、プリアンプ側のオペアンプへの電源とGNDは配線で繋ぎます。


これでノイズの出方を確認すれば、プリアンプとパワーアンプのどちらかにノイズの発生源があるとか
あるいは、そういうことではなくてGNDやVccなどの全体的なところにノイズの発生源があるのかが分かります。

いわゆる 「切り分け方式」 ですね。



ドゥィーーーーン!! ガチャン!! ガチャン!!






結果。

・Bass12 のプリアンプを使って Lead12 のパワーアンプで出力すると、例の 「ジー」 というノイズは出ない。

・Lead12 のプリアンプを使って Bass12 のパワーアンプで出力すると、例の 「ジー」 というノイズが出る。

そしてもちろん、

・Lead12 のプリアンプを使って Lead12 のパワーアンプで出力すると、例の 「ジー」 というノイズは出ない。

・Bass12 のプリアンプを使って Bass12 のパワーアンプで出力すると、例の 「ジー」 というノイズが出る。


分かりやすい結果ですね。


Bass12 のパワーアンプを使った時だけ、例の 「ジー」 というノイズが出るわけです。


プリアンプにはノイズの原因は無いことも確定しました。
オペアンプや可変抵抗器はプリアンプ内にありますので、それらに問題が無かったのも納得です。


これでノイズの原因がパワーアンプ回路の中にあるということが特定出来ました。



さてさて、かなり範囲が特定されてきましたよ。

原因はパワーアンプ回路の中にある。 と。


トランスとブリッジダイオードが問題ないことは既に確認してあるので、回路図でいうとこの中のどこかです。




しかもこのパワーアンプ回路の中でも、アイドリング電流は調整してあって問題ないし
小信号トランジスタ(BC184、BC212)も問題ないことを確認済です。


そうするといよいよ MJ3001 と MJ2501 を確認する時がやってまいりました。
Lead12 と同じなので交換すれば一発で分かります。




これ、スパナが5.5mmだと入らなくて7mmだと緩いんですよ。
M3のナットは5.5mmのスパナだしM4のナットは7mmのスパナなので、6mmのスパナなんて持ってないわけですよ。

(何気に MJ3001 と MJ2501 を取り外すのを渋っていた理由だったり・・・)

急いでKTC製の6mmのスパナを買って来たわけですが、なんとそれも入らない!!
ナットを測ったら6.4mmあったのでこれはインチサイズですね。(測ってから買いに行きましょうね。)

もう早く作業をしたいので0.5mm削って使うことにしました。 (数分でいい感じに仕上がりました。)

黒いネジロック(緩み止め)が 「うにょ〜」 って。




はい。放熱器ごと外れました。
白いのが付いてるのは放熱器との密着性を高める為のシリコンです。
普通はもっと全面に塗り伸ばします。




菊座ワッシャーも入ってました。




Lead12 の方はネジロックも菊座もありません。 なんか綺麗に見えます。




全て外しました。




交換しました。 期待大です。




スイッチ、オーーーーーン!!




「ジー」







なんと・・・ノイズは消えません。

うーむ。


元に戻すのでついでにシリコングリスも塗り直しておきましょう。




元に戻しました。 また振り出しに戻ります。

「ジー」 という状態です。





ここからが本番か・・・



ここで異変が!!



なんと、比較用に使っていた Lead12 が 「ビィィーー!!」って鳴ってギターの音も出ません。


MJ3001 と MJ2501 を Bass12 に貸してから元に戻しただけなのですが・・・


調べたらオペアンプの入力電圧がおかしいです。

電源電圧の実測17.64Vから1kΩの抵抗を介して13.93Vになっていたところが
元の電源電圧そのまんまになってしまっていて、オペアンプの入力電圧が18Vくらいになってます。



おいおい、アンプを修理中に別のアンプを壊したなんて・・・恥ずかしくて言えないぞ!!

うむ。 黙っておこう・・・

早く直さねば・・・



1kΩの抵抗器はショートしていないので、平滑コンデンサを外してチェック。
貴重なオペアンプが壊れたら困るので、直るまでオペアンプも外しておきます。





本来22μFのところがこの個体は桁違いの2.2μFが付いているのですが、チェックしても問題なし。




元の電源電圧からは1kΩの抵抗器を介して電圧降下させた後に平滑コンデンサで平滑してるだけです。
なので、この1kΩの前と後で電圧が異なるだけ、異なるはずなのですが・・・同じなのです。

故障した時に何かやったというと、MJ3001 と MJ2501 を一度外してから元通りに取り付けただけで
これらのトランジスタを外してチェックしても壊れていません。

元のように1kΩの抵抗器を介した後で電圧降下するように直すまではオペアンプは載せられませんが
ブリッジダイオードも元の電源電圧の平滑コンデンサも小信号トランジスタも問題なし。


Bass12 の方は1kΩの抵抗器を介した後でちゃんと電圧降下しています。

どうしても電圧降下しない理由が見当たらないので、外付けで電源電圧に1kΩを取り付けて確認したところ
なんと、電圧降下しなくて正解であることが判明しました。

どうやらオペアンプの内部抵抗によって電圧降下しているようです。

そこで、オペアンプをOD-1に載せて動作確認したら・・・壊れてました orz


とても貴重な RCA の MC1458CP1 が逝ってしまいました・・・




互換品の 4558D を載せて直りました。
Texas Instruments製の MC1458P なら数十個は確保してありますが
また何が起こるか分からないのでしばらくは 4558D のままにしておきます。




オペアンプの入力電圧が電源電圧と同じになってしまったからオペアンプが壊れたのではなくて
オペアンプが壊れてしまったからオペアンプの入力電圧が電源電圧と同じになってしまったようです。
何故オペアンプが壊れたのかは不明。

例のノイズが出ないかを確認しようと、VOLUMEを最小にしたり最大にした時に
スピーカーを繋ぎ忘れていたことが一度だけありましたが、音は出していないので関係ないはず。

MJ3001 と MJ2501 の取り付けも、構造上、ベースとエミッターはショートしないようになっているし
シリコングリスも絶縁体であることを確認してあるのでトランジスタも関係ないです。

Wシリアルを使っておけばよかったのに何でSシリアルなんか使っちゃったかなー

まぁうちにあるSシリアル3台のうち一番ボロいやつだったし・・・仕方がない。



すみません!! お待たせしているのに半日を無駄にしてしまいました!!

すぐに再開します先生!!


そして何故かまたこのSシリアルを比較用として使い続けます(ぇ



やっとまた振り出しに戻りました。

普通は振り出しに戻るとガッカリするものなのですが、何故か振り出しに戻れてホっとするっていう・・・



さて、ノイズの原因はトランスやブリッジダイオードでもプリアンプでもなく、
パワーアンプ部分にあることは分かりました。

しかしパワーアンプ回路の中でも、小信号トランジスタでも最終段のパワートランジスタでもない。
アイドリング電流も適切に調整してある。
各部の電圧も適正。
プリントパターンもおかしな箇所はない。


分かってしまえば何ということもないような、ちょっとしたことが原因なんでしょうかねぇ?



うーむ。



落ち着いて冷静に考えると・・・

パワーアンプ回路の中だということは明確になっているので
「ノイズの出るアンプ(=Bass12)」と「ノイズの出ないアンプ(=Lead12)」で
パワーアンプ回路の、どこに差があるか、ということになるわけですね。


そもそも Bass12 と Lead12 で異なるのは抵抗器4本とコンデンサ4個だけなのですが
その中でもパワーアンプ内に絞って異なるところを見てみると
「R17」の抵抗器と「C11」のコンデンサだけなんですよ。




「C11」のコンデンサは既にワニクリップで取り付けてノイズが消えないことを確認してありますが
そうすると Lead12 との相違点で試していないのは「R17」だけなんですよね。

Bass12 の「R17」は2.7kΩで、Lead12 の「R17」は1kΩなんですけど
2.7kΩに1.5kΩを並列に繋げればだいたい1kΩになるので  1 ÷( 1/2.7 + 1/1.5 )= 0.97Ω
確認はワニクリップで済みますね。



そしたら・・・




なんと、ノイズが消えました。

正確に言うと、ほぼ消えました。

かすかに鳴っているのは、他のアンプも鳴ってる程度の気にならない音です。


これなら誰も 「ノイズだ。」 とは言わないでしょう。


ちなみに「C11」のコンデンサは付けても外しても変わらないですね。
コンデンサの容量を大きくしていくとノイズも消える代わりに音もブツブツ言い始めます。
なので「C11」は追加する必要は無いでしょう。

もう一度確認します。
「R17」を2.7kΩに戻すと、「うわ、この音なに?」 っていうくらい 「ジー」 って鳴ります。
1kΩにすると、嫌な 「ジー」 が消えます。


確定ですね。

ただ、これって 「ジー」 って鳴る2.7kΩが仕様なのか、それとも
本当は1kΩなのに間違えて2.7kΩが取り付けられてしまっているのかは、分かりません。

分かるのは、コンボタイプの Lead12(5005)もスタックタイプ(3005)もここは1kΩで
1kΩなら 「ジー」って鳴らない。 2.7kΩだと 「ジー」って鳴る。

ということです。


そうするとこれは考え方によって、「修理」ではなく「改造」になりかねないので
1kΩに変更してノイズを止めるかどうかは、ご依頼人様の判断に任せることにします。



ご依頼人様に 「1kΩに変更してノイズを止める」 ということで了承を得ました。


一般的な1/4Wカーボン抵抗では大きさ的に頼りなく見えてしまうので、1/2W金属抵抗(写真上)を使います。




変更前




変更後

あと既に交換してある半固定抵抗器は、やはりここは本来調整出来るようにしておくべき所ですし
Lead12 の初期と同様にこのまま取り付けておくことにします。
元に戻すと適正値ではなくなってしまいますので。

結局、今回いじったのはこの2ヵ所だけです。




これで完了です。

長い闘いでした(笑






あと最後に一つ、こだわっているところ。
可変抵抗器を取り付けるナットの話。

うちに届いた時にはナットが普通にこの向きで取り付けてありましたが




ナットには向きがありまして、これが表で




このちょっと角ばってる方が裏なんですけど・・・




私が今まで見てきた Lead12 は、ナットの裏が前に向くように取り付けられていまして
実は文字盤の前面パネルが見かけによらず柔らかい材質のステッカーなので
おそらく傷が付かないようにわざと表の丸みを帯びた面をパネル側にしているんだと思います。

多分ですけど Marshall 社の気遣いですね。

なので、ナットの裏が前に向くように取り付けます。 締め過ぎない方がいいですよ。
分かりにくいこだわりですね(笑





最後にうちの Marshall たちと記念撮影。






【修理後記】

「原因が不明」とか「不具合が見つからない」ではなく、原因が分かったので
このノイズを消すことも出来るし、出すことも出来ます。

これは私が思う理想の原因究明だと思います。

例えば 「イモはんだ」 の原理が分かっていれば、意図的にイモはんだを作ることも出来ます。
だからこそイモはんだにならないようにすることが出来る、という考え方です。


あと今回の場合だと修理屋さんで診てもらっても 「不具合は無いです。」 って言われるパターンでしょうね。
実際、何も壊れてはいませんし、配線の取り回しやプリントパターンのせいでもないし。
それに 「ビィー」 だと絶対に不具合ですが、「ジー」 だと正常なアンプでも意外と普通に出てたりします。

まぁ今回の 「ジー」 はVOLUMEを「0」か「10」にすると大きくなるし本当に気になる音だったので
直して正解だったと思います。

今回の「R17」は仕様なのか間違いなのかは定かではありませんが
以前にも工場出荷時の時点で抵抗器の値が間違えて取り付けられているせいでノイズが出てるアンプがありました。
特に昔のアンプで手作業で組み立てているアンプに見受けられますね。

しかし、今回はほぼ回路が同じ Lead12 が手元にあって比較することが出来たから分かったので
もし Bass12 だけを診てノイズの原因を探していたら分からなかったと思います。
それこそ 「不具合は無いです。」 としか言いようが無かったのではないかと思うと、ゾっとしますね。

あと、この Bass12 って本来ベースアンプなのでコントロールの可変幅はギター用にしては狭くはなりますが
ギター用の Lead12 はBASSのつまみが真ん中より先は音が変化しないのに対して
さすがベース用なのでBASSのつまみが真ん中より先まで変化します。
逆にTREBBLEはあまり変化しませんが、元々 Lead12 や JCM800 は高音が強過ぎなので丁度良いと思います。

個人的にはベースアンプとしてよりもギターアンプとして使った方が良い音のような気がしました。
メタル系でちょっと歪ませてピック弾きのベースならこれでもいいと思いますけど
ベースアンプはもっと他に良い音がするのありますし(苦笑

2018.6.14

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